【妹沢奈美のwe love UK music】新作発表、ザ・フージアーズ インタビュー(その2)

 セカンド・アルバム『ザ・イルージョン・オブ・セイフティー』(ソニー)が本国UKではトップ10に入った、ザ・フージアーズのインタビューの続きをお届けします。バンドというものを愛している彼らが、今回はさらなるポップ化を求めて、いわゆるプロの作曲家たちにも参加をあおぎました。このあたりの柔軟な思考こそ、ザ・フージアーズが極上のポップ・ミュージックを生みだす秘密かも。答えてくれたのは前回と同じく、フロントマンのアーウィン(Vo&G)です。

The Hoosiers_400-thumb-280x280-2432

今作には、プロのソングライターも参加されています。共作という経験は確実にバンドの視野を広くしたと思いますが、自分たちが無意識のうちにこだわっていたことにも新たに気づきましたか?

「そうだね……自分は本当にギターしか弾けないから、無意識のうちにクセで同じコードを弾いたり、同じような曲が出来てしまう事が多かったんだ。でも、たとえばキャシー・デニスから、自分達の概念を一度リセットする事の大切さを学んだ。共作をする事により自分達の視野が広がった。今までは無意識のうちにある曲の書き方をしていて同じようなものしかできないところを、共作をする事により僕たちが思いもよらなかった作品が出来たりした。違う楽器を挑戦するように進めてくれたのは実はキャシーなんだ。彼女は自分の演奏の技術に頼るのではなく、自分の耳を頼るように教えてくれた」

−−なるほど。

「だからと言って、共作を過信してはいけないと思う。単純に自分達の曲作りをそのまま誰に託すのではなく、バンドとして存在し続ける為にはいい楽曲を生み出し続けないといけないのは事実。初めてレーベル担当者が共作の話を持ちかけてきた時、ソングライターとしての自信を失った時期もあった。なにしろ……初めてレーベル担当者に曲を聴いてもらった時に、あまり良くないと言われたんだ。僕達は曲自体にポテンシャルがあると確信していたから、それをちゃんと正しい方向に導いてくれる案内人が必要だったんだ。色々な人達を一緒に仕事をする事によって、視野が広がったよ。お陰で、良くないと言われた曲もちゃんとアルバムに入っているし、今はみんな好きだって言ってくれてるんだ」

−−前作が大ヒットし、数多くの人があなたたちの音楽を支持したという事実は、今作の制作のモチベーションに何らかの影響を及ぼしたと思いますか?

「もちろん、すごく影響していると思うよ。この業界ではチャンスは一度しかもらえなくて、そこで失敗したらゲームオーバー。だからこそ始めに作った楽曲はボツにしたんだ。1stの栄光を引きずって同じような楽曲を作って安全なアルバムを作る事も出来るけど、自分達は、それが許せなかった。遠回りをして時間はかかったけど、本当に納得のいくアルバムを作れて嬉しいよ」