第8回「留学していなければ今の自分はいない」中坊壮介(プロダクトデザイナー)[前編]
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ブリティッシュ・カウンシルの「スペシャルトーク」。
第8回目のゲスト、中坊壮介さんは現在、プロダクトデザイナーとしてジャスパー・モリソンのロンドンオフィスに勤められています。また、ロンドンのRCA(Royal College of Art)に留学され、Design Products科を修了された経歴をお持ちです。
留学経験について、デザインについて、仕事観について、中坊さんに幅広く伺います。
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プロダクトデザインの原体験
--もともとプロダクトデザインに関わりたいという気持ちはありましたか?
中坊壮介さん(以下、N):ちょうど子供のころにガンダムやスーパーカーに影響された世代でもあって、ものづくりへの関心はもともとありました。デザインというジャンルが仕事として成り立つかどうかは、子どもの頃にはわかりませんでしたが、何かを自分でクリエイトする仕事に携わりたいという気持ちが中学ぐらいからおぼろげながらありましたね。
高校に入ってから、自分は芸術系の大学に進学するのがいいのかなと現実的に考え始めました。その頃は、インダストリアルデザインをやりたいと思っていたんです。でも受験した京都精華大学には、当時インダストリアルデザインやプロダクトデザインの学科というものがありませんでした。それで、建築なら同じ立体を扱うから似ているんじゃないかと考えて建築学科に入ったんですよ。ところが全然、思っていた世界とは違ったんですね(笑)
車の免許がとれる歳になったあたりから車に興味が湧いてきました。なにせスーパーカー世代ですから幼いときから乗り物には興味があったんですが、車のデザインをやってみたいなというふうになってきたんですよ。
そこで、もともと第一志望であった京都市立芸術大学を再受験して転籍したんです。
留学という選択肢
--大学在学中にRCAへの留学を考えられたそうですね。
N:はい。車のデザインをやりたくて転籍した京都芸大で一、二年経ったあたりから、留学したいという考えが出てきました。
車のデザインの雑誌を見ていると、世界の学校の卒業制作が紹介されているんです。これを見ると少なくとも僕の見た限りレベルが全然違っていて、まったく学生のものとは思えませんでした。学生でもこれだけ高いレベルで作れる人間がいるということに衝撃を受けましたね。そういうことから、自分もよりハイレベルな海外の環境で高みを目指したいと考え始めたんです。
雑誌には、RCAの卒業制作も紹介されていました。それまで僕には「車をデザインするのはイタリアだ」という考えがあって、留学するならイタリアがいいなと漠然と思っていました。でも、RCAの卒業制作を見てイギリスも悪くないんじゃないかと思いはじめました。
車のデザインにまつわる環境でいうと、イタリアは学校としての環境ではなく、豊かな工房がある国なんですね。カロッツェリアに携わりたいと思っていても、イタリアで実際にそういう勉強をできる学校があるかと考えると、あまり具体的には出てこないんです。そうなると、あとはアメリカかイギリスで学ぼうと。その時、いろいろ見ている中でRCAが魅力的に見えてきたんです。
そして僕が三回生になってプロダクトデザイン専攻になった時、専攻のなかの先生と生徒で行く英国研修旅行があったんです。その旅程のなかにRCAが含まれていたんですよ。そうやって僕は、RCAという学校とイギリスという国を直接見る機会に恵まれました。海外に行くのもこの時が初めてで、もちろん英語も話せませんでした。
京都芸大は一学年に125人ぐらいの、本当に人数が少ない学校なのですが、プロダクトデザイン専攻にいたっては僕ともう一人、二人ぐらいしかいませんでした。そうして少人数で行った研修旅行で、ものすごくイギリスに良い印象をいだいて、「いつか必ず戻ってきたいな」ってその時誓ったんですよ。現地を目で見て確認して、これだ!って決めることが、十分なモチベーションになったんです。
その時からRCAへの留学を見据えて、苦手だった英語も勉強し始めて、デザインも留学が出来るレベルになるようにポートフォリオを作りはじめました。




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