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第9回「留学していなければ今の自分はいない」中坊壮介(プロダクトデザイナー)[後編]

再びイギリスへ

--その後、現在のジャスパーのオフィスに勤められるわけですが、そのきっかけを教えていただけますか?

N:できれば海外、イギリスで働きたいというのが気持ちが強くありました。それで、またポートフォリオを作成して、無印のものも入れさせてもらって就職活動を始めました。
ジャスパーのオフィスで働くことになったのはとても奇遇です。
僕がとても好きなデザイナーで、マイケル・マリオットという方がいるのですが、最初、その人のところに書留でポートフォリオを送ったんですよ。そうしたら、マイケルにポートフォリオが届いた翌日ぐらいに、なぜかジャスパーからメールがきたんですよ。ジャスパーからメールがきたので、いったん何だろうと思ってそのメールを見てみたら「マイケルからポートフォリオを預かっているのですが、よかったらうちで働きませんか?」という内容だったんですよ。僕は無印時代に海外の窓口のようなこともしていたので、ジャスパーとも挨拶程度はしていたんですが、これには驚きました。自分のことを覚えてくれているとも思っていなかったんです。
いま思えば、多分ジャスパーがマイケル・マリオットに「誰かいいやつはいないか?」って聞いたんでしょうね。それでマイケルのところにたまたま僕のポートフォリオがあったものだから...
ジャスパーはちょうど人を探していて、僕も仕事を探しているときで、偶然に偶然が重なったんです。

--デザインの仕事全般に関して、中坊さんの考えをお聞かせ願えますか?

N:当たり前ですけど、デザイナーって良いデザインをやってなんぼだと思うんです。でも、一方で自分自身でプロモーションをしないと仕事もままならないじゃないですか。これは難しいところなんですけれども、やっぱり重きを置きたいのは仕事の質です。僕はデザインを頑張る時間を割いてまでプロモーションというふうにはなかなか思えないですね。

--海外に拠点を置かれることによって、日本人的なものを意識する部分はありますか?

N:ありますね。どうしてジャスパーが僕を呼んでくれたかっていう理由のひとつに、日本人であるということは絶対にあると思うんですよ。イギリスのデザイン事務所には必ず日本人がいるってよく言われるんですけど、これは偶然ではなくて勤勉さとか日本人の気質みたいなものがデザイナーという職業に比較的向いてると思うんですね。ということは、僕自身、そういった日本的な部分への期待には応えなきゃいけないなと、そういう気持ちはありますね。


中坊壮介さん


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