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【日刊・英国生活】留学生のためのイギリス英語 発音講座(3)アメリカと発音はどう違う?

「日刊・英国生活」では全3回にわたって、聖徳大学人文学部教授 小川直樹先生から、留学生のためのイギリス英語についての特別記事をご寄稿いただいています。最終回となる今回はイギリスとアメリカの発音の違いについて実例を交えて教えていただきます。

※この記事の掲載にあたっては、英語・語学書の総合出版社アルクのご協力を頂きました。


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3.アメリカと発音はどう違う?
 レディング大学の研修のとき、キャンパスにリスが現われました。そのときのことです。
 「Look. There is a squirrel over there!」のように私は叫んだのです。でも、同じ研修に出ているイギリス人の英語の先生が、「ナオキ、なんですって!?」というようなことを言ったのです。だから私はsquirrelという単語を繰り返しました。でも、やはり「え!?」と聞き直されたんです。
 その直後、彼女は「あー、ナオキの言っているのはSQUIRRELのことね。イギリスではそれはSQUIRRELと発音するのよ」と教えてくれました。
 この表記では、まだ何を言っているのかわからないかもしれませんね。でも、実はリス、つまりsquirrelという単語は、英米で表記は同じですが、発音が違うんです。そのために会話が通じなかったのです。

■リスは英米で違う!?
 このとき、私が使った発音は、「スクワゥーロウ」のようなものでした。これは、アメリカ英語の発音だったんです。
 一方、イギリスでは「スクィロウ」のように発音するのです。カタカナで書くと、あまり違わないようにも見えますね。でも、実際はかなり違います。だからこそ、このイギリス人の先生は、私の「スクワゥーロウ」という発音が最初、理解できなかったんです。そして、イギリス式の発音を教えてくれたわけです。
 日本で習う英語は、基本的にアメリカ英語です。したがって、日本で英語を学ぶと、アメリカ式の発音で覚えることになります。だからこそ、英米で発音が違う単語の場合、このリス事件(?)のような誤解が生じやすいのです。

■英米で発音が違う語
 では、英米で発音が違う単語にはどんなものがあるでしょうか。少しだけ例を挙げてみましょう。

ate(「食べた」)
ateのような基本単語に英米の違いが現われるんです。思いもよらないですよね。私たちはateを「」と読みますよね。でも、イギリス英語では、これは「」と発音するほうが普通なんです。

hurry(「急ぐ」)
アメリカ英語では、rを発音して、こってりとした「ーリィ」のような感じになります。でも、イギリス英語では、あっさりとした「リ」のような感じです。
 同種の語にはcurryがあります。curryは実は、イギリスでは国民食のような食べ物。インド系の移民が多かったことから、定着してるのでしょうね。curryも、アメリカ英語ではこってりとした「ーリィ」ですが、イギリスでは「リ」のような感じです。

often(「しばしば」)
「イギリス人の先生は、『フトゥン』と発音していたけど...」と、よく学生から質問を受ける単語です。そう、イギリスではかなり多くの人が、oftenのスペリングにあるtを実際に発音するんです。

schedule(「スケジュール」)
私たちにとって、scheduleは「スケジュール」ですよね。実際、アメリカ英語では「スケヂューウ」となる。でも、イギリスではなんと「シェヂューウ」です! これは知らないとまず聞き取れませんね。

tomato
けっこう有名な例ですから、知っている人も多いかもしれません。アメリカ英語では「トイドウ」です。でも、イギリス英語では、日本語とほぼ同じ発音の「トートウ」です。トマトは、イギリスの朝食では欠かせない存在。でも、英語ができる日本人は、ついつい「トメイドウ、プリーズ」なんて言ってしまうんです。

tube
ロンドンの地下鉄はunderground、またはtubeと呼ばれます。このtubeの発音が英米でけっこう違うんです。イギリスでは、「テューブ」と発音する人もいますが、多くの人は「チューブ」と発音します。つまり、日本語の「チューブ」とほとんど同じ。でも、アメリカでは「トゥーブ」となることが多いんです。
 ところで、アメリカでは、地下鉄はsubwayですよね。でも、イギリス英語では「地下道」という意味です。
 tubeと同種の単語にtunaがあります。イギリスでは「チューナ」、アメリカでは「トゥーナ」です。まったく違いますね。tunaはサンドイッチの具でよく使われるので、意外に使う単語です。

 なお、さらに多くの英米の違いの例は、拙著『イギリス英語でしゃべりたい! UK発音パーフェクトガイド』(研究社)や『新装版 耳慣らし英語ヒアリング2週間集中ゼミ』(アルク)などをご覧ください。


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聖徳大学人文学部教授 小川直樹先生
IRICE英語教育学会理事・発音講座講師
1961年東京生まれ。聖徳大学人文学部英米文化学科教授。上智大学大学院言語学専攻博士前期課程修了。98年より1年間、イギリスのレディング大学言語科学学科で研修。専門は英語音声学・英語学・コミュニケーション。大学では、英語が好きになるための工夫を凝らした、音声重視の授業を展開している。アルクの通信講座「ヒアリング力完成発音トレーニング」などの監修も務める。最新の監修書に『小学校英語教師のための英語発音これだけ!』(アルク)がある。

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